がんばろう金曜

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思ったよりセックスって尊くない

 

思ったよりも尊くないんですよ、セックスって。

 

というのも、僕はつい3年前くらいまでドがつくほどの童貞、ド童貞だった。

エロ本を読めば実際にこんなプレイがあるのかと興奮し、AVを見ればこんな感じでセックスすれば女の子は悦ぶのかと思い込み、友人とコンドームを財布に入れておくべきか協議したりしていた。

今思い出すともうクソ恥ずかしいくらい童貞だが、そのくらい童貞だった。

だからこそ、妄想や想像の先にあるセックスを僕は神聖化し、そして少しの恐怖を抱いていた。

女の子と付き合い、仲を深め、想いを語り合い、理解しあい、その先にカップルの終着点としてセックスが存在すると、思っていた。それはほとんどの場合愛するもの同士でしか行われないもので、セフレなんてのは都市伝説だと思っていた。そして、彼女はできても全然うまく続かない僕にはセックスは無縁なものだとはなから切り捨て、思考の端に吊るして日々を過ごしていたと思う。

 

 

そしてそんな気持ち、考えを抱えたままに僕は高校卒業、そして専門学校に入ってすぐに童貞を卒業した。卒業してしまったのだ。秒で。

専門学校入学後にできた彼女とだったので当然幸せだったが、幸せだったのだが。

僕は幸せを感じる中で、1つの疑問が頭に浮かんできた。

 

 

思ったよりセックスって尊くない?

 

 

僕の想定だとセックスは愛の終点、突き詰めて分かりあった時にするものだと思っていた。

その時彼女と分かりあってなかった、とは言えないが、心の底から分かりあっていたかというとそれはちょっと怪しい。

「こんなに早く卒業していいのか…?俺ルール破ってない?大丈夫?」などと思いながら、その時に生まれた疑問に僕はなんとなく蓋をして、それとなく生きてた。

それとなく生きている中で僕は様々な女の子と出会い、様々な考えを知った。

ビッチもいれば貞操が固いやつもいれば風俗業をしてるやつもいれば彼氏を取っ替え引っ替えするやつもいる。

僕自身が離島育ちなのもあって意外な価値観を持つ本土の女の子達にかなり驚いた。

ツイッターで見る「風俗嬢やってます」だとか「セックスしたい」だとか言ってる女性ユーザーを僕は1ミリも信じてなかったしリップサービスだと思っていたしあんなもん一種のネットミームだろうと思っていた。そんな女の子はフィクションだと、自分とは違う遠いところにいる人間だと、思い込んでいた。

しかし、いたのだ現実に。本当にビッチや風俗嬢が。遠くの世界にいた存在が突然僕の世界に現れ、あたかも現実に存在する人間かのようにコンタクトを取ってきた。

その時、以前抱えた疑問がまたふつふつと再燃してきた。

 

 

セックスって思ったより尊くない?

 

 

思ったより尊くないのか、セックス?

どうなんだセックス? なんか言えよ。

そんな気持ちでいっぱいだった。

もっとこう、過去の僕が想像してたセックスは素敵なもので、近くにセックス感のある人や物があるのが嫌だった。嫌だったし、自分が童貞を卒業できたことを誇っていただけに思ったよりセックスがありふれてる事実に怯えた。

あれ?意外とセックスってみんな簡単にしちゃう感じ?と恐れていたのだ。

今思うと、セックスが意外とありふれたもので尊いものじゃない事実にはもうこの時に気付いていたかもしれない。けれどその時の僕はその事実から目を逸らすことにしたらしい。

付き合ってすぐセックスした自分が少し他とは違うだけだ、大丈夫、セックスってのは素敵なものなんだ、そう言い聞かせた。

 

僕がこの事実に嫌でも目を向けないといけなくなってしまったのは去年だ。

彼女と別れ、悲しみに暮れた僕は遊び回った。

正確に言うと僕自身に遊び回るつもりはなかった。本当になかった。

粛々と悲しんでいたところに声がかかって遊びに行っただけなのだ。たくさんお酒を飲んだりボーリングをしたりカラオケに行ったりして、気付いた時には僕は5、6人とセックスをしていた。あれ?

そこに自分の意思はほとんど介在せずに、流れに身を任せててそうなったのだ。あれれ?

その時点で僕は、確信した。

 

 

セックス、思ったより尊くない!!!

 

 

尊くないのだ、セックスは。

僕が思ってた何倍も、何十倍も、何百倍も。

都会だとか田舎だとか関係なく、男女だとか彼氏持ち彼女持ちだとか関係なく、ゲイだとかレズだとかバイだとか関係なく。

尊くない。全然セックスは尊くない。

 

全然セックスは尊くない!!!

全然尊くないよ!!!

 

なんで過去の僕はセックスを尊いものだと思ってたのだろう、意外とありふれているしすぐ側に寄り添ってくれていた。

2、3人目くらいの時までずっと異常な罪悪感を感じていた僕は一体なんだったのだろう。

尊くないセックスを崇め怖がり、自分の世界から切り離していた僕は一体なんだったのだろう。

そうして僕は気付いた。

一切セックスが尊くないことに。

その場のノリやお酒の勢いだとかで平気でしちゃうものだということに。

セフレだとかビッチだとかが気持ち悪いエロエロおじさんの考えた創作じゃないことに。 

 

 

これは手紙だ。

過去の僕に、セックスを尊いものだと思い込み自分には出来ないと恐れ、縮こまっていたあの情けない僕に。

そしてみんなに、セックスが尊いものだと思い込んでる童貞や処女、セックスが尊いものだと思い込んでいた僕のような人たちに。

そういう不特定多数の人たちに僕が宛名を書かずに送る手紙なのだ。

これを読んだ童貞や処女は是非、セックスを怖がらないで欲しい。

好きな人や大事な人としかしないのはもちろんだが、君が思っているような怖いものじゃないのだ。常に側にある。

そしてこれを読んだセックスが尊いものだと思っていた人たちはその頃の自分を思い出して、クスリと笑って欲しい。

それではみなさん。

素敵なセックスライフを。

 

 

生中出し、ダメ絶対。